一般社団法人 茗渓会

筑波大学同窓会
筑波大学/東京高等師範学校/東京文理科大学/東京農業教育専門学校
/東京体育専門学校/東京教育大学/図書館情報大学/図書館短期大学
2014年7月23日掲載

茗渓学園だより「茗溪学園の校技/ラグビー・剣道」

校技大会・剣道。全校優勝チームは教員選抜(剣道の先生を含む)チームに挑戦。試合場を多くの生徒が取り囲み観戦・応援する。
一面の銀世界。今年の突寒ラグビーは大雪に見舞われた

本校では、男子はラグビー、女子は剣道を校技とし、体育授業では全員に履修させています。特定の種目を校技としたのは、スポーツ・運動に関心と親しみを持ち、生涯にわたって楽しむ雰囲気を作るには、校技としてより深く経験することがよい、という初代校長の考えによるものでした。
ラグビーが選ばれたのは、英国のパブリックスクールを手本とした寮生活を、教育に取り込もうとする考えと、チームスポーツでは最も多い15人でプレーすることが、本校の運動場の制約(長方形のグランドが一面しか取れない)から、限られたスペースでより多くの生徒たちに運動量を確保するには最適、と考えられたからでした。筑波大よりラグビーを専攻した体育教師を迎え、開校以来男子生徒はラグビーに親しんできました。
女子の剣道は、少し遅れましたが、剣道を専門とする体育教師を得て、校技となりました。一対一で対峙する緊張感の中、「攻めて打つ」という剣道の考えが、社会に出て活躍する女性には大いに役立ち、校技として価値あるものと、初代校長が話されていたことを思い出します。礼を重んずること、構えた姿の美しさなども挙げられていました。
ラグビー、剣道が校技とされているところから、本校には、他校にはないいくつかの特徴的な行事が生まれました。

寒稽古・突寒ラグビー

これは、高校2年生(この行事の期間全員が寮生活をする)と寮生が参加しますが、厳寒の2月、夜も明けやらぬ早朝に行われます。剣道を校技とするからには、寒稽古は必然の流れであり、開校以来の行事となっています。高校2年の女子全員と寮生の女子、中学1年寮生男女が参加します。筑波大学剣道部の協力を得て、総勢二百名ほどの声が体育館にこだまします。
男子のラグビーは、武道における「寒稽古」のような名称がなかったので、本校オリジナルで「突寒ラグビー」と名付けました。朝5時半過ぎ、暗闇の中ボールも見えないような状況で始まりますが、体から湯気が沸き立つほどの熱気に溢れるプレーが展開されます。
厳しい条件に耐えて打ち克つ精神の強さが求められます。生徒たちは、声を掛け合って元気よくこの行事をやり遂げます。

校技大会

ラグビー、剣道の一年間の成果を発表する場として、3月年度末の2日間、校技大会が行われます。剣道では学級対抗の団体戦と、1年から5年の縦割り学級チーム(A~F組)による試合が行われます。団体では、学年優勝チームが全校優勝をかけて対戦し、中学生が高校生を破る試合も見られます。剣道部員の活躍もありますが、週1回早朝に剣道を行っている寮生が、チームの勝敗のカギを握っています。なお、本校女子のほぼ全員が、卒業時には剣道1級以上の有資格者となっています。
ラグビーは、学年ごとの学級対抗戦ですが、中学1、2年生は、体重順に2チームを編成し、重量級、軽量級同士で対戦します。中3以上は15人制ラグビーです。クラスの全員が出場するように交替しなければならないこと、ラグビー部員の同時出場人数などが学年ごとのルールとして決められます。部員は学級のリーダーとなって頑張りますが、選手としてではなく、学級をいかにまとめられるかという力量が学級の戦績に反映されています。