学校における図書館の充実度は、学校が生徒たちの自主的な学習活動をどれくらい大切にしているかが分かる指標である、と言われています。
本校では、建学の理念に掲げた「創造的思考力に富む人材を育てる」ために、課題解決学習や調べ学習を各学年の教科学習や行事に組み込んで、より高い成果をねらっているところですが、生徒一人一人に探究心を育み、自ら学び成長していく能力を養う場としての図書館は、重要な役割を果たしています。そこで今回は、本校の図書館についてご紹介させていただきたいと思います。
図書館データ
- スタッフ=専任・司書教諭2名、非常勤・司書1名、アルバイト(筑波大学大学院生・図書館情報メディア研究科)1名。月曜から土曜まで常に複数での指導態勢がとれるようにしています。
- 蔵書数=約7万冊。新しい本を年間2千冊以上購入。
- 年間貸出し冊数=1万6千~2万冊
- 開館時間=始業前の7時45分~午後6時。始業前、昼休み、放課後とも数多くの生徒たちで賑わっています。
本校図書館の特徴
複数の専門スタッフを配置しているところが第一の特徴です。高校2年で行う総合学習「個人課題研究」では、全員が論文作成を行いますが、これらの生徒に対し、論文作成の基礎となる資料の検索方式や入手方法、他の図書館の利用、論文の書き方、プレゼンテーションのノウハウなど、生徒からの様々な相談に応えています。高校2年のほかにも、各学年に配置されている研修活動やレポート作成などのために、生徒たちは気軽に相談にやってきます。
図書館に場所を移して授業を行う教科が幾つもありますが、それらの授業支援や資料提供などで、授業担当教師と司書教諭とが協力して、よりよい授業作りをしています。
入学直後の中学1年生に対し、図書館オリエンテーションが行われます。司書の先生方から直接しかも優しく丁寧に教えてもらえるので、より親しみの湧く図書館という雰囲気が醸成され、高い利用率につながっています。新聞・雑誌の閲覧とか友人との交流の場としても利用されています。
7万冊の蔵書ですが、絵本から大学生が使うような専門書まで幅広く揃えていますが、調べものの利用が多いのでレファレンスブック(参考図書)をより充実させるようにしています。洋書も積極的に収集し、海外からの帰国生や留学生ばかりではなく、多くの生徒が外国の書物に触れる機会を作っています。
新聞は日刊紙を10紙、週刊誌を3誌、雑誌(科学、スポーツ、趣味など)を42誌購読し、生徒の多方面の興味関心要望に応えています。
個人課題研究の要旨集やさまざまな研修活動の報告集をまとめたコーナーでは、先輩たちが過去に作成した研究レポートや関連資料が揃えられていて、調査・研究がより身近なものと感じられるようになっています。
図書館は、教室から近い2階のアクセスしやすい場所にあります。テーブル席と個人机を配置し、個人学習、グループ学習それぞれの学習形態に応じて使い勝手が良いようにしています。
他に、図書館内には情報端末として、図書検索用コンピュータ、お知らせ掲示用コンピュータ、いつでも自由に使えるコンピュータなど4台を設置して便宜を図っています。