平成26年12月13日(土)筑波大学大学会館にて
「茶の湯にみる日本の生活文化」
講師 熊倉功夫氏(静岡文化芸術大学学長)
熊倉先生の「茶の湯」のお話は、茶の湯のどのようなところが日本独特の生活文化であるのか、という視点から、「水打ち」「露地口」などに始まる茶の湯の作法を一つひとつ解説していただき、その歴史と文化の深みを味わうものでした。特に次のように強調されたことが印象に残りました。
茶の湯は、ただお茶を飲むだけでなく、その中に「清め」という日本人の古い時代からの感覚が生かされています。この世から別世界に入っていくという日本人の精神世界や、狭い所をくぐり抜けると生まれ変わるという信仰が表現されています。さらに、火をお互いに共有するという文化や、食事を共にすることで人間と人間を近づけコミュニケーションをもつという日本人の感覚など、茶の湯には日本人の生活文化のいいところがきちんと守られて残されているのです。