一般社団法人 茗渓会

筑波大学同窓会
筑波大学/東京高等師範学校/東京文理科大学/東京農業教育専門学校
/東京体育専門学校/東京教育大学/図書館情報大学/図書館短期大学
2013年8月8日掲載

学生活動支援事業紹介「宇宙工学研究会」

僕達宇宙工学研究会は名前の通り、宇宙に関する活動を手広くやっている団体です。普段の活動は固体燃料を使い、ペンシルロケットを制作したり、宇宙について話しあったり、宇宙に関係ある、またはなくとも先進技術の公開などをみんなで見学しに行ったりしています。
今回、茗渓会様から支援を頂いて行う事業は2つあり、ハイブリットロケットの制作と液体燃料ロケットの制作です。
先日、ハイブリットロケットと液体ロケットの両方の試験を行ったので簡単にそれらをご紹介したいと思います。

ハイブリットロケットは6月中頃に試験を行いました。燃焼状態を可視化するためにアクリルの筒を燃やしその燃焼の観察、これからフライトモデルを作るための問題点などを明確にするための実験です。
試験を行う上で一番気をつけることは安全管理です。どんなに実験がうまくいってもそれによって怪我をしたり、事故が起きてしまっては意味がありません。また宇宙工学を扱う活動をする上でそれらを安全に行うことができるということを周りに示さなければ、団体として活動を行うこともできません。今回ではリーダーを中心に実験シーケンスを勧め、ロケットを対爆ブロックで覆い、万が一のことが起きても周りに危険が及ばないように気をつけながら実験を行いました。

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実際の燃焼に入るとアクリルが光りとても大きな低周波の音があたりに響きました。ハイブリットロケットは振動燃焼がしやすいロケットエンジンで今回も音を聞いただけで振動燃焼しているのがわかります。しかし燃焼先に置いておいた推力の目安となる対爆ブロックは倒れ、かなりの推力がでていることがわかりました。また流速が音速を超えると見ることのできるショックダイアモンドも見ることができ設計通りの燃焼をしてくれました。
これからそれらの実験データをまとめて問題点を洗い出し、次の試験機を作ります。次の目標は、振動燃焼をある程度防ぎ、推力のロスが少ないロケットエンジンになるよう設計することです。フライトモデルを今年中に作るのは時間との戦いですが頑張りたいです。

液体ロケットエンジンの実験は7月中頃に行われました。液体ロケットエンジンは他大学のサークルや団体が作っておらず基本的に手探りでの制作になります。今回の実験では、酸化剤を液体酸素、燃料をエタノールとし推力200Nを目指し設計をしました。今回の実験では本番に備えた実験シークエンスの練習、安全管理の見直しが目的でした。しかし、思いの外実験は大変でした。
まず今回使用する液体酸素は低温でなければ気化してしまい、燃料タンクに詰めてもうまく断熱しないと全て気化してしまいます。予想外に気化の速度が早く燃料タンクの断熱がまだまだ甘いことが判明しました。また電気系の準備も不十分で、基盤に実装する時間がなく空中配線になってしまいそれもところどころ不調になり実験の進行を妨げてしまいました。

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それらを乗り越えて数回、燃焼させることができたのですが前述の酸素が気化してしまいエタノールのみでの燃焼になってしまいました。それでも勢いの良い炎をあげるエンジンは見ていて楽しく、当初の予定である安全管理、実験シークエンスの見直しは達成することができました。

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天候にも恵まれず、途中まで晴れていたのですがスコールのような雨がたびたび降りました。そのため、思うように実験を進められないような環境でしたが、今後の課題が見つかる良い実験だったと思います。
これからは機体の設計の見直し、次回実験の発射シークエンスの見直しを行い次の実験に備えようと思っています。まだまだ前途多難ですが頑張って行きたいです。
これら2つの活動以外にも宇宙工学研究会では楽しく、ときには厳しく工作などに取り組んでいます。お金のかかる事業2つを支援していただいて感謝しています。これからも安全に楽しく、工作やロケットの開発を続けていこうと思っています。