- タイトル
- 晩餐会の真実
- 著者
- 吉尾健太郎(45教大倫理)
- 発行所
- 彩図社
- 形式
- 文庫本 509ページ 762円(税別)
本書は心をテーマとした十一の作品群(「異星人」、「晩餐会の真実」、「祈り」等)よりなる短編集である。
異星人という視点から、この星に生きる人間の価値観を批判する作品が「異星人」である。今日の世界を直視すれば、作品の中に於ける異星人の人間に対する警告は決して荒唐無稽であるとは言えないだろう。無論、その警告は筆者自身のメッセージでもある。真実とは?を求める際、それを妨げるものは何かを考えさせる作品が「晩餐会の真実」である。晩餐会の招待状を受け取った若者の言葉と行動を通し、筆者はそれを人間の自惚れと怠惰精神にあると断じている。「祈り」は直接、心と心を通し繋がっていた時代があったことを訴える作品である。 同窓諸氏の一読を請う。
紹介文:神奈川県立総合高校講師 鈴木尚武/43教大応数(茗渓1066号に掲載)