東京には各区ごとに支部がありますが、支部の枠を超えて東京都全体で茗渓のつどいを11月24日(日)に茗渓会館で開催しました。当日は100名を超えるたくさんの会員が集まりました。上は昭和28年東京教育大学卒業、若い所では平成19年筑波大学卒業まで厚みのある世代の会員で、しかも参加者は従来教職が中心だったところが、幅広い業種に就職した同窓生が集まりました。司会はNHKアナウンサー池田達郎さんが担当しました。
第1回総会は、高橋基之世話人代表による経過の説明、ついで江田昌佑茗渓会理事長と阿江通良筑波大学福学長からのご挨拶がありました。江田理事長は、茗渓会本部理事会としても東京都の茗渓会へのテコ入れを強力に進めてきたことを説明され、阿江副学長からは、筑波大学の最近の取り組みを映像を交えて具体的に紹介されました。
ついで第1部では東京都茗渓会発足会として総会議事を行い、東京都茗渓会の会則を承認、平成25年度の新役員を選出しました。この間「東京都茗渓会」という名称を巡って議論がかわされました。
第2部は記念講演会でした。東京教育大学最後の卒業で筑波大学大学院へ進まれ、現在近世・近代史学者として幅広い活動をされている氏家幹人さんが、「東京から江戸へ ~歴史を編む人・ひもとく人~」と題して講演をしました。お話は、幕府の公的日記「御実記」をはじめ御家人の日記、旗本夫人の日記、高松藩の徒目付の日記など多くの史料を基に、正史に書かれていないところに表れた歴史意識や時代の変化についてやさしく興味深く読み説かれました。たとえば、武家もふだん着の生活では畑も作るし大根も漬けるという質素な生活、お手付下女への情愛深い思いやりなどを浮き彫りにしました。さらに、江戸時代初めには、殉死や切腹、罪人の腑わけの例など、陰惨な武家の風習があったこと等を紹介するなかで、当時はまだ儒教的なものとは異質のものがあったこと、主従関係はきわめて個人的なものであったが18世紀になると次第に変質していったことを、日記史料から具体的に明らかにされました。講演会の後、氏家先生の著書の販売とサイン会もあり行列ができていました。
第3部は交流会でした。ご出席の小野清子さん(元国会議員)ご紹介や、科学実験パフォーマンス、箱根駅伝での筑波大学の活躍、最長老・最若手参加者、ご夫婦卒業生からのお話、NHK在職卒業生のお話など盛りだくさんのスピーチがありました。各テーブルには、人々が入れ替わり立ち替わり集まり、談笑の輪があちこちに出来ていました。そして終幕は茗渓会恒例の「宣揚歌」で締めくくり、全員の集合写真撮影で終了し、来年の再会を約しました。