「ペイ・フォワード」を実行する
ふるさとつくば ゆいまつり実行委員会
中川 沙羅葉(生資3年)
秋も深まる好天の中、茗渓会館にて開催された第12回茗渓会顕彰式に参加しました。顕彰者の皆様は、老若男女問わずパワフルで明朗な方ばかりで、貴重なお話を沢山お聞きすることができました。
私は、ふるさとつくば ゆいまつり実行委員会代表としてお招きいただきました。学生だけでなく、市民の方々と共に3年間続けてきた活動を顕彰していただいたことを誇りに思うと同時に、さらに工夫を重ね、つくば市を代表するおまつりの一つに創り上げていきたいという決意を新たにする機会にもなりました。
ところで、『Pay it Forward』(2000・米)という映画をご存知でしょうか。主人公である中学1年生の男の子が、「自分の手で世界を変えるとしたら何をする?」という問いに対して「ペイ・フォワード」というアイデアを提案し、実行します。ペイ・フォワードとは、自分が受けた善意や親切を、他の3人の相手に渡していくというものです。つまり、自分が最後の受け取り手(End-user)ではなく、次の人へのつなぎ手(Passer)になることで、社会全体の豊かさを増大させながら循環させるという考え方です。
今回の茗渓会から顕彰された皆様は、それぞれの精力的な活動を通してペイ・フォワードを実行すると同時に、ご自身の成長や学びにも全力を尽くしているように感じられました。また、どなたも原動力は「好き」や「やりたい」という純粋で強い気持ちでした。ゆいまつりも例外ではありませんが、継続していくにあたって資金や時間の制約、他の活動との両立の問題に直面します。それでも続けたいと思える好きなこと、信頼できる仲間や協力して下さる方々に恵まれ、実行する過程で築かれる意志や関係は、とても強固なものになります。それは、たとえ経済的価値に置き換えることができないとしても、人として忘れてはならない姿勢だとあらためて感じました。
お金だけでは解決できない問題が山積する昨今では、「独占ではなく共有の時代」とも言われています。分けあったり協働したり情報を伝えあえば、単独で活動するよりも効用が高まります。
このたび顕彰された方々のお話を聞くと、その活動は、震災復興支援やミャンマーでの職業指導、着物と親しむノウハウの提供など、「共有すること」を大切にしていました。そんな、時代の最先端を牽引する全ての活動の盛り上がりと成功を祈念して、結びとさせていただきます。