- タイトル
- ゴルフ、“死ぬまで”上達するヒント
- 著者
- 塩田 正(昭31教大体)
- 出版社
- ゴルフダイジェスト社
- 形式
- 新書判191ページ 900円(税込み)
幡ヶ谷の体育学部には陸上競技場の横にゴルフの練習場があった。著者の塩田氏はそこで、非常勤講師だった原田盛治先生(東大卒=日本アマチュアゴルフ選手権優勝者)のゴルフの授業を受けた。それがきっかけで、著者はゴルフ記者の道に進み、実に50有余年にわたり斯界のリーダーとして活躍、今日も現役である。
本書は長いプロへの取材生活や、内外の著作物で得たゴルフの技術のヒント集である。著者は駆け出し記者の頃、カナダカップ(現ワールドカップ)の団体・個人で優勝した中村寅吉プロから、「(上手な)おめえが来たんじゃ、しょうがねえな。普段は話さないことを教えよう」という言葉をかけられた。これを聞いて「ゴルフの記者はプロに近いところまで腕を上げなければ」と、自分の腕前の上達にも精を出してきたということである。
著者は取材で得たプロの技術を「役得だ」として、自分の上達の糧にしてきた。今回の著書にはこうしたプロたちの奥義や内外の技術書、専門誌で学んだヒントが数多く開示されている。一般のゴルファーも、読んでいて「これは」と思われるヒントが二つや三つは必ず目に飛び込んでくるはずだ。また本書は、いまだに類を見ない日本のゴルフの技術変遷史ともいえる。茗渓会のゴルファーにも、レッスンに携わるプロにも是非お勧めしたい本である。 市村操一(昭36教大体)